「諸行無常を受け入れ私欲を外せば現世恐れるモノゴトは何一つ存在しない」
朝顔を洗い鏡に映る髭や眉毛にも白いモノが混じる自分の姿を眺めながら、
「日々、観てくれだけはジジイに近づいているモノだな…」
と思う。
ネット広告などを目にすると若い事は良い事だという風潮が跋扈しているみたいだが、個人的に明治時代の元勲たちの写真を観て30代には達していた風貌に憧れる。あがなうより日々自分自身の思考行動から創り上げている隠し様も無い晒し続ける顔に対して責任を持ちたいモノだと思う。
以前は何かしら先行きの不安感に囚われる事が有ったが、現世人の世なんぞ諸行無常を理解し、くだらない私欲を外せば楽勝なのだと気づいてから現在は無い。
「金が無いと死ぬ…」そんな言葉を聴く度、日々価値が下がる紙切れ如きに生命を懸けている現代人の浅はかな価値観を知る。
別に金の存在を総否定しないが、現代日本ならば一日1000円ほど有れば次の日までの生命を繋ぐ食料と交換出来ると思えばさほどの金なんぞ必要無いモノなのだと思う。食べ物が食べられなくなって人間は死ぬのだ。
別に欲を満たす為に敷地を拡げた訳では無いが気がつけば死んで持っていける訳でも無い敷地が増えたモノだと苦笑いする。但、現代社会、ちょっとやりたい事をやろうとすれば共有財産の公園で有ってもやたら規制がかかるので自己所有するしかない。致し方無い出来事と割り切っている。
生まれた時に何か手に持って生まれてきた訳でも無く、この世なんぞ生まれたら早かれ遅かれ100%死ぬ事を知り、地位も名誉も何も要らない…出来てしまった地位や財産なんぞ付いてしまった垢くらいの意識でいれば楽勝なのだ。
そんな事が解らない限りずっと現世の苦の沼に嵌り続ける。